色無地の着物は黒以外の一色に染められた着物で、地紋意匠がありますが、柄はありません。
卒業式に袴と合わせたり、お宮参り、お茶席、お出かけ、色を抑えた物なら弔事にも着用できます。
他の着物に比べ、幅広く着られるので、1枚で色々対応できます。
紋を入れることで格を上げることも出来ますし
紋を入れずに帯や小物次第でお洒落着としても着られます。
またお茶・お花など和のお稽古事には、色無地の着物はよく使います。
若い方があまり地味な色合いのきものを着るのは不自然な時がありますので
派手すぎず、地味すぎず、上品でご自身に似合う色を探してみてください。
紋について
紋を付けない色無地は、街着感覚で着られます。
一つ紋を付ければ正式なお茶会や祝賀会などに着られる略礼装となります。
三つ紋を付ければ付け下げや紋の入らない訪問着よりも格は高くなります。
お茶席に着用するときは、一般的には紋を付けます。正式には三つ紋を、
気軽なお茶会なら1つ紋やしゃれ紋でも対応出来ます。
ただ、三つ紋まで付けてしまうと、気軽には着られず、着る場所が限られます。
お茶席は格式の高い場から、気軽なものまで様々なので形式で選ぶより、
茶事の趣旨に対し着物を選ぶと良いでしょう。
紋の数は合せる帯によって軽くも重くも装える、一つ紋の色無地が便利です。
法事や知人の通夜、お葬式などに色無地を着用する際は、一つ紋で
なるべく地織りの小さい物が良いでしょう。
弔辞に向く地紋には、雲取り、紗綾形、波文などがあります。
色合いが地味でも吉祥模様などは避けましょう。
色はグレー・渋い抹茶色・暗い紫のダーク系の色を選びます。
弔事に色無地を着用する場合、帯は喪服用の黒の帯か、法事用のダークカラーの帯を合わせます。
黒喪服には小物類も、黒のものを合わせます。
略喪の場合は、黒以外にグレーなど地味な色合いのものが合うでしょう。
帯との組み合わせ
色無地の着物も帯の合わせ方により、様々な場面に着られます。
織りの名古屋帯・袋帯が良く合い、金や銀の箔が入っていればより格調高くなります。
カジュアルに装う時
(用途:ショッピングなどの街着として、コンサート、ディナー、ランチやお稽古等)
普段着感覚の紋なしの色無地には、カジュアルな半幅帯や、名古屋帯を合せます。
この場合、軽すぎず、箔が入ったものが良いでしょう。
普段着より、もう少しおしゃれに着たい時は、袋帯を合わせ、重い柄ではなく
洒落っぽいものが良いでしょう。
仕立ての時の八掛(裾回し)はきものと異なった色、濃度、柄物など使います。
格調高く装う時
(用途:格式の高いお茶会や祝賀会、ウェディングパーティー等)
紋が入った色無地に、帯も少し格を上げて、金銀糸の入った格の高い織りの名古屋帯、または吉祥模様の袋帯を合わせます。このような袋帯を合わせた場合、紋なしの付け下げより格上になります。
お茶会などに着る時の帯は、格の高い織り名古屋や大人しい袋帯等を合せます。
古典的な柄付けで、上品な帯が好まれます。
仕立ての時の八掛(裾回し)は共色、共布を使います。
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