昨年の12月20日に広州で
中国シルク2016大会という大会が開催され、
製糸養蚕協会の楊永元会長より2016年度の報告がされました。
・欧米・日本などで絹の消費が大幅に減少。
・中国国内経済は成長の減速・構造改革による影響が拡大。
生産過剰・金融のリスクで伝統産業への影響が懸念される。
・蚕品種の退化で繭の品質が落ち、絹業界の不安定要素が拡大。
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(これは、政策で生産地が比較的北部の山東省・浙江省から江西省・昆明へ移行したことで
気温・湿度が生糸生産に合わず、解じょ率(繭から糸が長い状態で取れる事)が
落ちた事です。)
中国シルク標準化技術委員会が12月29日に、
国際基準として標準の生糸と、試験方法を発表。
国際絹貿易は80%が中国の主導であることで
様々な絹商品の品質がこの基準で判断されるようになる流れです。
2016年12月28日、
中国商務部(日本の経産省にあたります)ネットで発表されました
昨年の1月から10月まで分の中国での生産量は下記の通りです。
生糸生産量:12.77万トン 前年比2.7%増
絹織物・絹交織(絹とその他の繊維を混ぜた織物で絹50%以上のもの):
5.31億メートル 前年比6.2%増
その中で10月分は
生糸生産量:1.46万トン 1.6%増
絹織物・絹交織(絹とその他の繊維を混ぜた織物で絹50%以上のもの):
0.54億メートル 前年比1%増
相場
トン当たり約37万元で推移
取引所以外での生糸現物価格は
経糸 トン当たり約38万元
横糸 トン当たり約41から42万元
全体の流れとしては、
・今まで比較的生産されていた絹が政府主導の業種の近代化と、
人件費高騰によりより人件費の安い奥地や南部に生産拠点が移動。
・南部に移動した生産拠点ではあるが、今まで通りの品質を保つのが難しく
品質が劣る。
特に品質の劣化が生地目に顕著に出る羽二重(表地・肩裏・胴裏に多用)が
品質の良い日本向けが生産数が少なくその中で少しづつ品質の良い羽二重が
中部・南部で出来始めている。
人件費の高騰に加え、品質の良い糸はプレミアが付き非常に高価になっている。
品質の劣化が顕著に出にくい精華パレス(表地・八掛・襦袢に多用)、
綸子(襦袢に多用)はベトナムでの生産に移行。
・景気は思わしくなく、生産工場は通常の春節以上に長期に休暇を取る傾向。
・インドでの10月の廃紙幣事件以降、インド市場はとても静か。
・欧米も休暇、旧正月以降はトランプ新政権の動向を注視という状況です。